口コミや評判のいい介護施設は何が違うのかがわかる本

私は、70歳を超えた両親の介護に備えて、介護について勉強中だ。

両親はまだ元気ではあるが、肉体的な衰えは隠せず、70を超えると、なにかのきっかけで衰えは早くなる。

元気なうちにこそ、何かあったときへの対応が的確にできるように知識を増やしている。

なんといっても介護は情報戦だからだ。

今回の記事では、いざ介護が必要になったときにお世話になることになる、介護施設の内情についての知識をつけようと読んでみた本「あの介護施設には、なぜ人が集まるのか サービスを感動に変える18の物語」をご紹介しようと思う。

ところで、介護施設というとどういうイメージだろうか?

介護業界で働いていたり、身近に介護施設を利用した祖父や祖母がいないと案外イメージがつかないのではないだろうか?

私の祖父・祖母はは介護施設の利用をすることなく亡くなったので、介護施設を見学することはなかった。

デイサービス、老人ホームなど目にするが、なんとなく、年寄が集まってなんかやっているという辛気臭い場所をイメージしないだろうか?

そもそもデイサービス、老人ホームの区別がつかない人もいるのではないだろうか。

恥ずかしながら私がそうだった。両者の違いを知ったのも本当にごく最近だ。

介護施設というと、無職の私からすると、職員の募集に応じれば、私みたいな中年でも採用してくれるのではないか。と感じるくらい離職率の高い職場というイメージだ。

わかりやすくいうと、激務で薄給というイメージ。しかし、なぜ激務で薄給なのか。ということも、よくわかっていなかった。

この本は、そのような激務、薄給で老人が集まる辛気臭い職場と思われがちな介護施設の中でも経営が成功している施設を紹介した本だ。

成功している企業を紹介するような事例紹介本はよくあるが、その中でも介護施設をテーマにしているのは珍しい。

成功モデルを読むことで、いざ介護施設を選ぶことがあるときに、どのような介護施設を選べばよいかということについての予備知識を得たかった。

この本ではデイサービスを中心に、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホームの成功事例が18の例が紹介されている。

介護施設というのは、その利用料の大半が介護保険から支払われている。

そのため、介護施設が得られる収入には上限があることになり、また、介護施設としての要件を満たすためにはスタッフ数の人数要件、そしてそのうち有資格者は何人必要。といった要件もある。

介護施設の運営費の大半は人件費なので、介護保険で規定される収入、そして人数も規定されているので、結局、個々のスタッフの給与相場も決まってきてしまうのだ。

それでいて、身体能力や認知能力の衰えた老人相手のサービス業のため、事故などが起こりやすい。

これが、介護スタッフが激務で薄給と言われる要因となっている。

一方で、介護保険の対象となるサービスは医療よりは介護のほうが裁量が大きい。

例えば、デイサービスで提供されるレクリエーション活動。老人が遊んでいるような映像を見たことがある人もいるだろう。

あれは介護スタッフが企画できる裁量が大きいのだ。

ただ遊んでいるだけでなくて、体を動かすことにより身体能力の衰えを防ぐなどの効果を期待して行われる。

老人はそれぞれ衰え具合が違うので、そういったことも考慮しながら企画しなくてはならないので、案外大変だろう。

こういったレクリエーションの工夫などで、他のデイサービスとの差別化を図ったりしている。

また、働いているスタッフの質が低く、またその離職率が高いと、利用者の満足度も下がってしまうので、スタッフの教育と定着のための経営努力の事例も紹介されていた。

保険で運営されているところは医療に似ているが、介護事業は医療よりも経営の巧拙に左右される事業体だということがよくわかった。

デイサービスならば介護保険で運営されているので、そこが気に入らなければ変えたところで金額的には大した負担にならないし、料金は一律である。

しかし、これが有料老人ホームなら一時金は支払わなくてはならないし、「住宅」なので簡単に引っ越すこともできない。

介護施設はどこでもいいというわけではなく、しっかりと選ばなくてはならないということがよくわかった本だった。

介護施設をユーザーとして選ぶときはもちろん、就職先、転職先として考えるときにも有用だろう。

自分の勤務先が介護施設の場合には、業務改善の参考事例となるだろう。

また、ビジネス書が好きな人にも興味深く読めるだろう。経営戦略本としてもなかなか面白いと思う。

あの介護施設には、なぜ人が集まるのか サービスを感動に変える18の物語

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