日本からブラック企業がなくならない理由

景気も回復してきて、民主党政権のころよりは求人件数も増えてきた。

大卒者の就職活動も簡単になってきていて、「売り手市場」と言われているが、その恩恵を受けられるのは20代からせいぜい30代半ばまでではないだろうか。

以前(民主党政権のころ)より雇用環境がよくなっているのは、大きくいって次のとおり。

1.若者の絶対数が減っている。

考えが柔軟で体力もある若者しかできない仕事というのはどこの会社にも絶対に存在する。

一方で、若者の絶対数が減っているため、若い労働力を各社で取り合っているというのが現状だろう。

きつい肉体労働を敬遠する若者が多いため、最近では外国人のアルバイトや悪名高き技能実習生で、その雇用を埋めているという現状も明らかになってきた。

2.円安に伴う、国際的にみた日本人の賃金低下

アベノミクスは賛否両論があるが、はっきりとした効果があったのは、円安になったことだ。

民主党政権時代。2010年代の初めは、おおむね1ドル80円程度だった。

これだと、20万円の給料は、2500ドルだ。

一方で、現在の1ドル110円程度だと、1818ドルとなる。

日本企業も含め、世界中の企業が人件費の安いところで生産や営業活動をしようとする。

民主党政権時代にソニーやパナソニックが大赤字となって大リストラを行い、そして人件費の安い海外にどんどん工場や事業所を移していった。

世界的に見て、現在も日本人の人件費は決して安くはないが、以前に比べればだいぶましになった。

無理に海外に拠点をうつさず、日本で事業を続けても採算がとれる企業が増えたのだろう。

一方で、日本人労働者は円安で収入が減ったことになる。これがいつまでたっても豊かさを感じられない理由のひとつだ。

さて、安倍政権は「働き方改革」をうたっているが、日本からブラック企業が減り、そしてワークライフバランスのいい生活が送れるようになるのだろうか。

残念ながらそうはならないだろう。

そして状況は今後も悪化し、日本企業はますますブラック化するか、さもなければ倒れる企業が続出するか(あるいは両方)ということになるだろう。

その理由は次のとおりだ。

1.高齢化社会の一層の進展

よく言われていることなので知らない人はいないと思うが、高齢化はますます進展する。

生産力ではない高齢者も生活をしなくてはならないので、だれかの稼ぎで彼らを養わなくてはならない。

その仕組みが年金であり健康保険であり、生活保護ということになるのだが、これら社会保障は税金だけでなく、企業の負担分もある。

企業は社会保障の一翼を担っているのだ。年金、健保といった形で。

労働者を一人雇用すると、企業は給料だけでなくこういった社会保障費用も負担しなくてはならない。

そして、企業の負担する社会保障費用も高齢化の進展でますます増大することが予測される。

採用する側からすると、人ひとり雇うと今後いったいどれくらいの社会保障費用を負担しなくてはならないのか。大きなリスクをはらんでいることになる。

一方で、企業は国際競争をしなくてはならない。高齢化がすすんでおらず、社会保障費用負担も少ない国にある企業との競争だ。

増え続ける社会保障費用というリスクと国際競争に直面している企業はどうするか。

採用した労働力を徹底的に有効活用して、実質的に賃金を下げようとするだろう。

つまり、サービス残業の増加による実質賃金の引き下げ、そして賃金以上の生産性がない労働者を極力排除しようとする動きを取るだろう。

わかりやすくいうとパワハラでもなんでもして退職に追い込むことだ。

2.過去に作られたインフラ

有効に活用されているインフラ、例えば山手線とか首都高とか、常にだれかに使われているという交通網ばかりなら問題ない。

しかし、日本全体を見るとそういったインフラは少数派で、がらがらの電車、たぬきしか走っていないような道路など、地方に行けば過去に作られた有効活用されていないインフラがたくさんある。

そして、人口減少に伴い、ますますそういった有効活用されないインフラは増えていくだろう。

こうしたインフラは過去の建設費に加えて維持費もかかる。利用されなければ利用されないほど赤字がどんどん増えていく。

この赤字の穴埋めは誰が負担するのか。というと、結局税金という形で労働者や企業が負担することになる。

日本社会の高コスト体質は、こうした過去に作った無駄なインフラもひとつの原因だ。

それでも日本企業は国際競争をしなくてはならない。こうした無駄なインフラのつけは、一企業ではどうしようもない。

結局、企業は国際競争に勝つために、実質賃金の引き下げで対応しようとする。つまり、長時間労働のサービス残業というブラック化だ。

3.中国そして東南アジアといった周辺国との競争

テレビなどの電化製品について、アマゾンの人気ランキングを見ていると、日本企業の名前はなく、LGやサムスンといった韓国企業、そして最近では中国ブランドがランキング上位を占めている。

昔から中国や東南アジアといった人件費の安い国で、日本企業が生産して世界中で販売していた。

そのため技術指導や管理職という立場で海外での日本人の雇用の場も生み出された。

ところがすでに中国企業も力をつけ、自分たちの技術力とブランドで世界を相手にビジネスをしている。

日本人の管理職、技術指導も不要となってきている。

立場がすっかり逆転したのは、シャープを買収した鴻海を見たらわかるだろう。

今後はこういったケースがどんどん出てくるに違いない。

いうまでもなく、中国企業の強みは圧倒的な低価格だ。そして、その原因は人件費の安さからきている。

中国企業の傘下に入る、あるいは中国企業と競争するために、今後も実質賃金の引き下げ、つまりブラック化の流れは止まらないだろう。

まとめると、

社会の高齢化に伴う社会保障費の企業負担の増加。
人口減による、過去に作られた無駄なインフラの赤字のいっそうの増大とその赤字の穴埋め。
周辺諸国との競争激化。

これらはすべて実質賃金引下げ圧力として働く、つまりブラック企業の増大だ。

ブラック化しなければつぶれるしかないという企業もますます増えるだろう。

そして、日本で働く限りこれらから逃れられない。

それでも日本で働き続けるだろうか?

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